(記事の目的)
新卒・中途問わず総合商社は圧倒的に人気No1です。世界を舞台に幅広く事業を展開しておりネームバリューや仕事の面白さはどこにも負けません。
この記事では誰もが入りたいと考える総合商社に関して、USCPA資格取得後に就職(転職)可能なのか検証していきます。かなり難易度が高い総合商社ですが、正しい戦略を取ればUSCPAはかなり相性が良いと思います。
カッコいいし憧れる!
難易度高いから絶対に戦略が必要やで
日本では公認会計士はハードルが高く監査のイメージがありますが、海外では事業会社で活躍する会計士も多く非常に認知度の高い資格です。さらに、総合商社の事業(トレーディングでも事業投資)では会計が分かることが前提ですので、USCPAは総合商社が求めるスキルに非常にマッチしています。
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<参考記事>USCPAの各予備校比較に関してはこちら参照して下さい。
総合商社に入ることは至難
まず大前提ですが、総合商社は入社難易度が最難です。
他戦略コンサルやGAFAM等と同等の難易度となっており、新卒時の入社倍率は100〜200倍等と言われています。こちらの新卒時の卒業大学を見ていただいても難易度が分かると思います。
ダイヤモンド社「5大総合商社「採用大学」ランキング2022最新版【全10位・完全版】」:https://diamond.jp/articles/-/324463?page=2
ワシみたいな低スペにはとてもとても、、、
実際に総合商社に入った人に聞くと、新卒入社してくるのは帰国子女もしくは部活で全国レベルの成績を残した人ばかりということです。
さらに平均年収もずば抜けています。他の業界の平均年収とは一線を画しており代表的な5社は以下の通りです。
就職エージェントneo「総合商社の平均年収ランキング」:https://www.s-agent.jp/column/22921
臆せずに、次に実際に新卒での就活をどう戦うべきか、転職の場合にどのようなポジションに我々USCPA勢にチャンスがあるか検証していきましょう!
新卒の戦略:ソフトスキルをアピールすべき
- 新卒の就職難易度はトップofトップ
- 高学歴の学生がさらに+αの武器を持っており非常にハイスペック
- USCPA勢はソフトスキルをうまくアピールすべき
新卒採用においても当然総合商社はかなり就職難易度が高いです。
新卒採用担当の話を聞いていても、学歴も必要なんですが、最近の大学生はより企業実務に直結する専門性ある実践的な内容を勉強しており、就活で戦うためには具体的なアピールポイントを用意する必要があります。
学歴+αのスペックが非常に高い
総合商社に採用されるレベルの学生については、何かしら誰にも負けない武器を持っている人がほとんどです。
- 帰国子女系
- もはやTOEIC800点ではアピールにならないレベル。1年以上の留学経験がある人が多く、英語がほぼネイティブレベルでペラペラの人も多いです。
- ビジネススキル系
- 商社の実務に活かせる能力や経験を持っている人が多いです。ビジコン入賞者や学生団体を統括している人、難易度の高い会計やITの資格等を有している人が多いです。
- 体育会系
- まだまだ就職でも入社後でも可愛がられる体育会系です。その中でも全国区で実績を残している人ばかりで体力・精神力おばけです。
総合商社レベルだと簿記2級やFPレベルだと少し弱いかと、、
学歴+αのスペックだけ見てもかなり高く、さらに総合商社に就職出来る人の特徴としては、コミュニケーションスキルが非常に高いです。
つまり、スペックそのものをそのままアピールするのではなく、どのようなハードルをどう工夫して乗り越えたかをしっかり整理しており、総合商社の実務にどう活かしていけるかをしっかりと話すことが出来ます。
USCPA勢はソフトスキルをアピールすべき
まず、USCPA勢もハードスキルに関しては申し分無いです。求められている英語力と会計力をアピールすることが出来るのでかなり相性が良いと思います。
ただ、USCPA一本だけだと採用担当が企業で活躍するイメージを持ちづらいと思います。資格を頑張ったというエピソードだけだとハードスキルのアピールとしては充分かと思いますが、リーダーシップや問題解決能力といったソフトスキルをアピール出来ないんですよね。
特に、他の学生が留学時や部活でのエピソードをまじえて採用担当者にも分かりやすくアピールしてくると思いますので、USCPA取得の方もそういった点をアピール出来るようサークルでも学生団体でも喋れる経験を持っておくと良いでしょう。
USCPA取得の為の就職浪人はオススメ出来ない
基本的にUSCPA取得の為の就職浪人はオススメしていません。取得できないリスクもありますし、そもそも社会人をしながらでも十分に勉強を続けていけます。年齢(若さ)が就活・転職で一番のアピールポイントです。
就活時点で未取得でも、勉強中としてアピール出来ますし、科目合格までいっているだけでアピール出来ると思います。例えば監査法人への就職でも20代半ばでも全く遅くないと思いますし、まずは事業会社で経理実務を経験して、第二新卒等で経理実務×USCPAでの転職をオススメします。
転職の戦略:狙うべきポジション毎のステップを踏むべき
- 新卒一括採用と転職での戦略は全く異なる
- 各商社に財務経理のポジション有
- 他投資事業やM&A関連のポジションでUSCPAが活かせる
USCPAを取得する人は英語×会計を軸とした幅広いキャリアを目指している人が多いと思いますので、世界を股にかけてあらゆる業界・分野で幅広い商材を扱う総合商社に入りたいと思う人は非常に多いです。「カップラーメンからロケットまで」という有名なフレーズもありますよね。
新卒一括採用と転職での戦略は全く異なってきます。
転職時には基本的に空いているポジションの穴埋めとして求人を出していますので、狙うべきポジション(業種や部門等)を明確にしてポジションに応じたステップを踏んでアピールすべきです。
財務経理ポジションの募集要項
まず一番に、どの商社にもある財務経理ポジションを見ていきます。
こちらに住友商事の募集要項を例として持っていきます(他社の分も概ね同じような内容です)。
住友商事募集要項「経理グループ」:https://job.axol.jp/hy/c/sumitomocorp/job/detail/ZJEDTKQ6Xondg
まず、WANT要件に米国の公認会計士として記載があります。
重要なのがWANT要件にあるということは、他全候補者に求めているわけではないので(MUST要件を満たした上で)WANT要件を満たすことで大きく他候補者よりも大きくリード出来ます。
ここで注意して欲しいのが、経理としては基本的に経験者を求めているので、実務経験3〜5年以上をMUSTとして要求している企業が多いです。
他のUSCPAが活かせるポジション(財務や投資事業、M&A関連)
財務経理以外にUSCPAを活かせるポジションとして財務(CFO)や投資事業、M&A関連といったポジションが存在します。
総合商社の事業投資は第2の柱
総合商社というといわゆるトレーディングをイメージする人が多いかと思います。いわゆる中間業者として安く買って高く売る手数料で稼ぐビジネスですね。
ただ、現代の総合商社では世界各地の様々な事業に対して「ヒト・カネ・情報」を投資し、経営にも参画していく事業投資も2つ目の大きな柱となっています。
三井物産「CFO部門内オープンポジション 」:https://career.mitsui.com/career-jobs/cfo_2301/
事業投資事業に関連したこういったポジションでも会計士をWANT要件として記載されていることが多いです。
期待される業務内容は様々ですが、事業投資→経営参画として関わることが出来るのは総合商社として非常に面白いですよね。ただ、こちらも今までの経験がしっかり見られます。FASや戦略コンサルで経験を積んだ人が転職することが多いポジションです。
- 投資部門:M&AアドバイザリーやPEファンド、投資銀行や戦略コンサルの経験
- M&A事業部:事業構想立案・推進に関するプロジェクトの経験(デジタルプロジェクト、M&A・PMIに関する経験があれば尚よい)
監査法人やFASを挟む戦略
- 新卒やすぐの転職が難しい場合は専門性を高めるべき
- 財務経理のポジションには監査経験を積むべき
- 投資事業、M&A関連等のポジションにはFASを経験すべき
以上見てきたようにわざわざ要件にCPA(USCPA)と記載するくらいなので、USCPAを活かせる事業・業務は実際に総合商社に存在します。
WANT要件に書くってことは、出来ればそんな人材を取りたいなあ(無理かなあ)
って言ってくれてるってことやで
ただ、それでも難易度は高いです。同じポジションを争うのは戦略コンサルや投資銀行出身といったスーパーサイヤ人な訳ですよ。なので取得した後にすぐ総合商社にいけない場合も多いですよね。
では、新卒やすぐの転職が難しい場合、そういった人達に対してどのように戦っていくかというと、私は専門性を高めることをオススメします。各ポジション別に他の人と差別化出来る専門性を身につけて戦っていきましょう。
↓専門性を高めて職種別のキャリアを考える意義について参考にしてください。
監査経験を積む(→財務経理ポジション)
王道なのは、やはり監査経験を積むことだと思います。
財務経理ポジションの募集要件としても経理や監査の実務経験を求める場合が非常に多いです。特に監査実務は誰でも経験が積めるものではありません。USCPAを取得後、会計士として監査法人で監査経験を積むことでかなり差別化されるはずです。
FASを経験する(→投資事業、M&A関連等)
投資事業やM&A関連部署に対しては、FASで経験を積むことが非常にオススメです。
FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)とは、財務に関するアドバイスやサポートの呼び名になります。 主にM&A業務や財務業務に特化しており、M&Aアドバイザリー、企業価値評価、企業再生・再編支援、不正調査等を行います。
総合商社が積極的に行っている事業投資やM&A関連業務にダイレクトに活きる経験を積むことが出来ます。
FAS自体への転職に関してもUSCPAの評価かなり高いので、
実際USCPA取得後にFAS行く人も多いで
掲載内容:関連記事:M&Aの中途採用トレンド|なぜ業界への転職が注目されるのか|M&Aベストパートナーズ
まとめ
ここまでまとめてきましたが、100%就職(転職)を実現する再現性ある方法はありません。その時の企業のポジションの空き状況や面接の相性もあるでしょう。
ただ、冒頭述べたようにUSCPAは少なくとも1年以上の勉強が必要です。資格取得前にキャリアについてしっかり考えておくことでモチベーションにもなります。更に言うと、例えば総合商社にいけなかったからといってUSCPAは絶対に無駄になりません。
USCPAの勉強内容自体も非常に幅広いので、勉強を機に視野が広がって結局別の企業に就職したという人も非常に多いです。
転職は縁!!
転職等の情報に関してはまずはとにかく情報を集めることです。出来るだけ多くのエージェントから(ポジショントークを踏まえながら)多くの情報を集めましょう。転職は会計専門のエージェントがオススメです。USCPAや他資格を持つ会計を専門とする人をサポートしてきた知見から皆さんが思い描くキャリアに合わせて現状分析や提案をしてくれます。
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