未経験で会計職に転職するのは一見ハードルが高く感じられるかもしれません。
転職の際に一番求められているのは、応募者が戦力になるか であり、実務での結果でしか証明できないんですよね。なので基本的に未経験での転職は不利と言わざるを得ませんが、具体的な戦略を立てて着実に行動すれば実現可能です。
こちらのページでは、会計職の種類、資格の有効性と活かし方、年齢別の選択肢について具体的に解説します。
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会計職の種類と仕事内容
- 会計職の種類
- 目的別:財務会計・管理会計
- 会社種類別:事業会社・プロファーム系
会計職と一口に言っても、多様な分野があります。未経験でも挑戦できる職種やステップアップに役立つものを整理します。
経理職
- 主な業務内容: 会社のお金の流れを管理する仕事。仕訳、帳簿記帳、決算書作成など。
- 未経験でも挑戦しやすい理由: 小規模企業では未経験でも育成を前提に採用するケースが多い。
税務スタッフ
- 主な業務内容: 税理士事務所や会計事務所で、クライアントの税金申告や記帳をサポート。
- 未経験でも挑戦しやすい理由: 税理士を目指している人材を歓迎する傾向がある。未経験歓迎の求人も多い。
財務職
- 主な業務内容: 資金調達や資金繰りの管理、投資分析など。
- 未経験だと難易度高: 直接の未経験転職は困難だが、経理や会計事務所で経験を積んでステップアップする方法が現実的。
監査職
- 主な業務内容: 監査法人で企業の財務報告が適切かをチェック。
- 未経験だとハードル高: 公認会計士資格が必要。長期計画としてUSCPA取得などが有効。
FP&A (ファイナンシャル・プランニング&アナリシス)
- 主な業務内容: 予算計画や財務分析を行い、経営戦略に貢献。
- 未経験だと難易度高: 分析スキルや実務経験が求められるため、経理職で実績を積んでから移行が一般的。
求人内容の詳細
- 会計職の年収は高い
- 実務経験が一番求められている
では、実際に2025年に経理・財務・会計分野で出されている求人(n=約1,000件)を分析しているのでぜひ参考にしてください。
ここでは、どんな業務に対してどんな人材が求められているかを理解していただくことが重要かと思います。具体的な求人内容を見ると実務経験が非常に重要であることや条件によって年収帯が変わってくることなどが分かるかと思います。
※母数に限りある分析結果なのであくまで参考結果としてご認識下さい。
(内、約40%あった未経験可である求人要件)
【業務内容詳細】
- 月次投資会計決算データ作成
- 各種決算書類作成
- 会計監査対応
【応募要件】
- 簿記2級相当の経理知識
- 大卒以上
- 基本的なPCスキル
対象者の条件
どんな人材が求められているかを見ていきましょう。
基本的に実務経験が求められている場合が多いことが分かるかと思います。
未経験可は約40%
改めてですが、対象者の条件では基本的に実務経験を求めているところが非常に多いです。
注意が必要なのが、未経験可の求人に関しては、年収が低かったり、税理士法人での記帳のみを担当するようなスキルが付きづらい求人のケースもあります。
後述する転職成功のコツでも触れますが、「未経験」という定義については難しく、例えば管理会計の分野やIT関連・営業管理・内部統制といった職種(あるいは一業務やPJT)に関わった、という場合も十分にアピールできる可能性あります。
第二新卒可は約15%
対象者の条件にて、第二新卒可な場合は約15%となっています。
結構、ポテンシャル採用という意味合いに近くて、【未経験OK/第二新卒OK/学歴不問】という書き方をしている求人が非常に多いです。
簿記関連資格を求めているのは約28%
対象者の条件にて、「実務経験もしくは簿記資格有の方」という記載をしている企業も多くあります。やっぱり実務未経験という点を補足する方法の1位は資格かと思います。
年収帯
見てきたように、求人内容においては、未経験者や第二新卒等も可能である等幅広い求人があります。ただ、重要なのは、対象者の条件や求めている業務内容毎に年収帯が変わることです。
会計職の求人に関しては、税理士法人や会計事務所における仕訳の入力といった事務作業といった基本的なPC操作ができれば誰でもできる求人内容が多くあります。そういった求人についてはやはり年収帯は低いケースが多いです。
一方、税務や会計のコンサルティングや事業会社での決算作業等の高度な知識や経験が求めらている場合は年収帯は高いケースが多いです。
第二新卒可/不可の場合
業務内容に決算含む場合/含まない場合
税理士法人/他事業会社
また、やっぱり都内の会社の方が基本的には年収が高い、とう結果にもなりました。
勤務地に東京含む場合/含まない場合
経理・財務に転職成功した人の詳細
- 経理・財務に転職した約3割は未経験者
- 経理・財務に転職した人の約9割は資格保有者であり、USCPA資格保有者は3.8%
ここでは、MS-Japanさんが応募者・転職決定者の詳しい分析をしており、経理・財務職の情報が非常に参考になるかと思いますので見ていきましょう。
約3割は未経験者
経験者を求める求人内容が非常に多いですが、実際に転職に成功した人の実務経験を見ると、「経理・財務経験なし」が30.4%と最多となっています。
決定者では、「経理・財務経験なし」が30.4%と最多ですが、「10年~15年未満」が25.1%と続いています。
経験の有無で分類すると、経験者70%、未経験者30%で、経理・財務経験者の決定者数は未経験者の決定者数から倍以上多い結果となりました。
MS-Japan調べ:https://www.jmsc.co.jp/knowhow/topics/12446.html
管理部門の中でも、専門知識やスキルが求められる経理・財務は、経験者有利な傾向があると言えるでしょう。
管理会計側の経営管理や経営企画については、
もっと未経験の割合が多いんじゃないかと思うで
USCPA資格保有者は3.8%
さらに転職に成功した人の90.5%が関連資格を保有しています。簿記2級が73.3%で最多であり、USCPA資格保有者は3.8%となっています。
転職希望者と決定者の資格保有率を調査すると、決定者の90.5%が経理関連の資格を保有していることが分かりました。
MS-Japan調べ:https://www.jmsc.co.jp/knowhow/topics/12446.html
保有している資格の内訳は、簿記2級が73.3%で最多です。以下は、簿記1級が13%、簿記3級が11.8%、税理士科目合格者が9.2%でした。
資格の有効性と活かし方
- 職種によっては実務経験を資格がカバーしてくれる
- USCPAは幅広い職種・会社にアピール可能
会計分野には様々な資格があります。各資格の有効性や活かし方を把握しておくことが重要になります。
簿記資格
- 有効性: 簿記3級は基礎知識を証明、簿記2級以上で実務能力をアピール。簿記1級までいけば財務・経理の専門家としてかなり有効なアピールになります。
- 活かし方:
- 履歴書や面接で「未経験でも基礎はある」と説得力を持たせられる。
- 簿記資格の勉強を通じて仕訳や決算書の理解を深める。
公認会計士
- 有効性: 企業の財務戦略や税務対応、内部統制の支援など幅広い業務に活かせます。特に、監査法人に就職する人が多く、主査を経験した人を歓迎要件としている企業はかなり多く最強の資格です。
- 活かし方:
- 監査業務: 監査法人で法定監査や任意監査に従事。
- 税務・コンサルティング: 企業の税務戦略や経営課題の解決に貢献。
- 独立開業やCFO(最高財務責任者)を目指すことも可能。
誰でも知ってる3大難関国家資格は伊達じゃないで
USCPA(米国公認会計士)
- 有効性: 日本の会計士同様会計分野の知識をアピールできす。特にグローバル企業や外資系企業で高く評価される。
- 活かし方:
- 未経験でも英語力や専門性をアピールしやすい。
- 海外勤務や国際的なキャリアを目指す際の必須スキル。
海外も含めて幅の広さで言うと一番じゃないかな
税理士資格
- 有効性: 税務や会計分野での専門性を証明。税理士事務所や企業の税務部門で強みを発揮。
- 活かし方:
- 税理士事務所でアシスタントとして働きながら科目合格を目指す。
- 資格取得後は独立や転職で年収アップが期待できる。
USCPA取得後の4パターン
USCPAはビジネスに関わる幅広い専門知識を有しており、日本の公認会計士と比較してもさらに幅広いフィールドで活躍している人が多い士業です。
その為、きれいに分けることがなかなか難しいですが、私の視点で4象限に分類しています。
夢が広がる!夢が広がる!
横軸としては、大きく事業会社とプロファーム系で別れます。一番会計士としてイメージするのが監査法人での監査やアドバイザリーとしてのキャリアかと思います。少数精鋭でやっていきたい人は監査法人を経て専門性を持って独立やフリーランスとなるキャリアもあります。
さらには、USCPAは事業会社にいながら会計に関わる部門で活躍する人もかなり多いです。大企業の財務経理部や経営企画部等で活躍する人、さらにはベンチャー企業のCFOといったポジションもぜひ目指してほしいと思います。
最初からどこかに絞る必要はありません。自分が今どこの象限にいて、どんな会社のどんなポジションが合うかどうかを考えることが大切です。
資格や専門性ある人のいいとこで、
結構いったりきたりしてる人いるで!
ジェネラリストかスペシャリストか
横軸の事業会社とプロファーム系ではまず会社の事業内容が違うので、求められる必要なスキルが変わります。
事業会社では、自社が主体として行う事業が売上になります。つまり製造や営業等の多様な部署の1部署(財務経理や経営管理・経営企画が多い)で働き、自社製品・サービスの売上を伸ばすことに貢献することになります。
その為事業会社では、自身の担当する職務に対する幅広い知識や経験を持っていることは前提に、事業自体の深い知識も有しており様々な職種の人と組織的に動けることが求められます。
プロファーム系では事業会社をクライアントとして、監査やコンサルティングサービスをプロジェクト単位で提供することでその専門性に対する対価がそのまま売上となります。
その為プロファーム系では、クライアントから依頼された分野でのかなり深い専門性や最新の知識を持つこと、さらにはプロジェクトを推進する力が求められます。
最初はプロファーム系で専門性を磨いて、
事業会社でさらに幅広い経験を積む、みたいな流れの人多いな
大企業か少数精鋭か
縦軸は大企業か少数精鋭かで分けています。ここは個人毎の自身に合う働き方によって選ぶべきです。
大企業において大きな仕事をチームで動くことが性に合っているのか、独立やベンチャー企業で自身で大きな裁量を持って進めていきたいのか、ここは本当に個人次第というとこことです。
ただ実際に働いてこそ分かる部分もかなり多くて、実感としてどちらが合うかを選べると一番良いと思います。
USCPAを取得した人が取れる年齢別戦略
- 20代は未経験でも会計職に転職可能
- 30代前半までであればUSCPAで未経験転職できる可能性高い
- 35歳以上は現職の経験からピボットすべき
まず、就活や転職に関しては志望する業界・職種、自身の年齢に応じて正しい戦略が必ず必要です。「就活・転職で役に立たない」ということは無く、正しい転職活動をすれば大きなプラス材料になるはずです。逆に、たまに過大表現の広告を目にしますが、USCPAを取得すれば、どの業界でも高年収で迎えてくれる、はあり得ないですし、そのような一発逆転できる他資格もそもそも無いと思っています。
初めに大学生の方に関しては、事業会社(財務・経理)や監査法人への就職において大きくプラスとなります。日本人の就活において、専門的な勉強をしっかり身に付けている人は多くないので、大きな差がつけられるはずです。(最近は徐々にジョブ型雇用も増えてきているので、どんどん新卒時点で求められる専門的な知識のレベルも高くなってきています。)
転職に関しては、誰にでも共通して最も大事な要素の1つが年齢です。入社後の戦力となってくれる期間が違うので、転職に関しては年齢別に考える必要があります。
20代は取得前に転職してしまうのもアリ
新卒時の就活同様、事業会社(財務・経理)や監査法人への転職において大きくプラスになります。
まだ資格を取得中という場合、可能であれば先に会計職に転職してしまうこともアリだと思います。その場合は簿記2級で十分であり、その後に仕事をしながらUSCPAを取得することも検討しましょう。
それくらい年齢の若さが転職市場だと魅力だと思います。
監査アシスタント制度も有
法人や時期にもよるんですが、大手監査法人ではUSCPAでも監査アシスタントを募集していることがあります。公認会計士や監査人をサポートする職種で、監査業務の効率化や正確性を高める役割を担います。現職で勉強を進めることが難しく、将来監査法人に必ず入りたいという方にはオススメです。
主な業務内容
- 監査に必要な資料の作成や整理
- データの収集や入力、加工
- 決算書や書類のチェック、整合性チェック
- スケジュール管理
- クライアントとのやり取りのサポート
- 監査調書のベースとなるデータの処理や枠組みの作成
- 監査先への資料依頼やヒアリング
30代前半までであればUSCPAで未経験転職できる可能性高い
できれば近しい実務経験があった方が望ましいですが、この若さであれば転職後に実務を経験しながら戦力化してもらう時間が十分にあると考えられますので、USCPA資格が大きな助けになります。
監査法人や事業会社への転職にも役立ちます。例えば、メーカー企業でも財務経理や管理会計分野の職場は専門性を持った人が求められますし、銀行や商社等では他社の財務諸表を分析することができる人材が求められます。
よく言われる転職は35歳まで説
未経験でもこの年代までの人であれば、かなりプラスになると思うで、
35歳以上は現職の経験からピボットすべき
この年代に関しては即戦力を求められるので、基本的に全くの未経験分野への転職というよりは今までの知識・経験を活かした転職になります。
正直、今まで一切会計に関係ないキャリアの35歳以上の人がUSCPA取得だけで、会計分野でさらに年収高い会社に転職、というのは中々難しいかと
20代の方〜30代前半での転職はポテンシャルを評価されることに対して、この年齢の転職での良いことは、今までの実務経験を活かせるというところだと思います。
USCPAはそもそもかなり幅広い資格です。財務経理(に近しい)職種が無い企業は無いですし、全ての上場企業は監査を受ける必要があるので、今までの業務・業界の知識・経験を軸として活かした上でより幅広くキャリアを積み重ねることが可能です。
- 営業職をしていたが業界知識を活かして同じ業界の管理会計・経理財務に転職
- 海外駐在経験・英会話能力を活かして監査法人の国際部門に転職
未経験転職を実現させるコツ
- 現職で近しい職種に転換する
- 関連業務をアピール
- USCPAを最大限にアピール
現職で会計職に転換する方法
一番おすすめなのは、現職での職種転換を経て未経験者から経験者になってしまうことです。会計職については、全く関連職種が無い会社自体存在しない、と言えますので、現職で経験をまず積むというのが一番理想的だと思います。
この方法であれば、現職での職種転換であれば年収があまり下がらないケースも多いですし、よく理解している自社の業務なので会計職としても業務しやすいと思います。
状況によっては難しい場合もあるよね、、、
そもそも自社で異動できないから転職考えてるとか、
異動できてもその後すぐに転職できへんやんとか、
けど、長い目で見るとこれが一番理想
関連業務をアピール
経営管理業務や内部統制「未経験」という定義については難しく、というか明確な定義は無いです。
なので、応募者からすると積極的に自身の業務を関連付けしてアピールすることが非常に重要です。
例えば管理会計の分野やIT関連・営業管理・内部統制といった職種(あるいは一業務やPJT)に関わった、という場合も十分にアピールできる可能性あります。
- 営業職をしていた知識を活かして営業管理や管理会計を経験
- 簿記や会計の勉強をしながら営業管理や管理会計部門に移る・関連業務に携わることが出来れば、経営管理や経営企画への転職では経験者として転職できます。また、監査法人や事業会社の財務経理職に対しても、事業の理解や事業部とのコミュニケーションはかなり重要なので、そこに強みがあるということをアピールできます。
- 社内のシステム関連業務を経験
- ITの知識やシステム開発(社内外の会計分野)の経験があると非常に評価されると思います。経理処理や監査・管理会計側のシステムもDX化を積極的に進めているので、会計×ITの強みがあれば転職時に高い年収でオファーをもらえることも多いです。
USCPAを活かすための共通ポイント
- 英語力の向上
- USCPAは国際的な資格であるため、英語力を強化することでキャリアの幅が広がる。
- 最新の会計基準を学び続ける
- 会計基準や税務制度は頻繁に変更されるため、継続的な学習が必要。
USCPA取得者の強みは、グローバルで通用する専門性です。年齢に応じた戦略を採用し、自分の市場価値を最大限に活かす行動を心がけましょう。
もちろん英語喋れるよね、
と期待されることもあるので英語力必須!
(特にスピーキング・リスニング)
最後に
未経験から会計職への転職は、明確な目標と行動計画がカギです。資格取得、スキルの習得、求人選びの工夫を通じて着実にキャリアを進めましょう。何よりも、学ぶ意欲を示し続けることが採用担当者への最大のアピールになります。
少しずつでも前進しながら、理想のキャリアを手に入れてください!
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